今日はタッチペンのお話です。

 

塗装は部位によって数万円の修理代となることが殆どですが、軽微な傷の時はなかなか数万円の出費には踏み切れないと思います。

 

 

そんな時によく頂くお声が、

 

「タッチペンで錆だけとめてほしい」

 

「タッチペンで見た目だけ良くしてほしい」

 

というご要望です。

 

 

 

結果から申しますと、タッチペンでは錆は止まりませんし、見た目もさほど綺麗にはなりません。

 

 

 

まず、車の塗装がどうなっているのか、断面図を見てください。

 

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こんな感じ。

金属の上に下地があり、塗装があり、クリア層があります。

ソリッド塗装の場合は、このクリアがありません。

逆にパールなどの3コートの場合は、塗装とクリア塗装の部分が、2層ではなく3層になります。

 

 

で、傷はどのような状態かといいますと、

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※鉄板まで傷が入っている状態の図

 

 

こんな感じです。

 

 

鉄は空気に触れますと酸化して錆びていきます。

 

 

塗装をすると錆びない、というのは金属と塗装や下地がしっかりと密着することで水分や空気から金属を守るんですね。

 

 

 

で、錆びないようにタッチペンを塗るわけですが、タッチペンで色を乗せるというのはこんな状態。

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上から塗料を乗せるのですが、丸で囲った部分の密着もあまく、何なら隙間もあったりします。

 

表向きはしっかり塗料がついていますが、塗料自体の強度も密着度もプロの塗装には遠く及びません。

ですので、錆に関しては「ないよりはマシ」という程度。

 

更に、調色も難しいので、色も全然違ったりしますし、筆で塗りますので、「あ、塗ったんだな!」と丸わかりになります。

 

 

 

実際には新品の塗装と修復した塗装では、修復した箇所のほうが錆びやすいのですが、直さないでおくよりも錆のリスクは大幅に減ります。

ですが、タッチペンは、その場の見た目が多少良くなり多少錆びにくくなるかもしれない、という程度の効果しかないことが殆どです。

 

 

 

古いお車ですと、「もうすぐ乗換だから」という理由で、ちゃんとした修理をしないこともあるかと思いますが、まだ数年は乗る予定のお車であれば、傷の大小にかかわらず、ちゃんと修理することをお勧めします。

 

 

飛び石による小さな塗装欠けや鉄粉から点錆が出て、それが広がりボソボソの錆だらけになる車をたくさん見てきました。

 

 

長く乗るなら、とにかく早めの修理、しっかり修理が鉄則!

 

 

まずはプロにご相談下さい^^